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<第3編 債権> | ||
<第2章 契約> | ||
<第3節 売買> | ||
<第1款 総則> | ||
第557条 | 1 | 買主が売主に手付を交付したときは、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる。 |
2 | 第545条第3項の規定は、前項の場合には、適用しない。 |
一 | 手付の認定 |
1 | 契約書に、違約の場合、手付の没収又は倍返しをするという約定があったとしても、それだけでは本条の適用を排除する意思があったということはできない(最判昭24・10・4民集3・10・437)。 |
二 | 「履行に著手」の意味 |
1 | 債務の内容たる給付の実行に着手すること、すなわち客観的に外部から認識できるような形で履行行為の一部をなし、又は履行の提供をするために欠くことのできない前提行為をした場合を指す(最大判昭40・11・24民集19・8・2019)。 |
三 | 「履行に著手」した者からの解除の可否 |
1 | 履行に着手した当事者は相手方が履行に着手するまでは自ら解除することができる(最大判昭40・11・24民集19・8・2019)。 |
四 | 「其倍額を償還して」の意味 |
1 | 民法557条1項により売主が契約の解除をするためには、買主に対し、単に口頭により手付の倍額を償還する旨を告げその受領を催告するのみでは足りず、倍額につき現実の提供を行うことを要する(最判平6・3・22民集48・3・85)。 |
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